隣の人と触れたくないから? 「詰めない」問題も

電車に乗っていて、最近ストレスに感じることがある。それは電車の横掛けのロングシートについてだ。

京阪電車では、隙間なく座れるように、座席の一人一人の場所にくぼみがついている。その場所にきちんと座っているにも関わらず、隣の人が大柄だったり、大きな荷物を膝の上に乗せていたりすると、肩がぶつかりそうになったり、肘が当たりそうになったり、窮屈に感じることがある 。

JIS規格では?

一人一人の座席の幅は決まっているのか調べてみ。JIS(日本工業規格)によると、ロングシートの一人当たりの横幅は43センチメートルとされている。しかし、人間の横幅で一番長いのはどこか。お尻あるいは、肩だと思う人が多数だろう。

お尻の横幅の平均は、34.8センチメートルである。これを考えると、JIS規定の幅に十分収まる。

では、肩幅ではどうだろうか。人間の肩幅の男女平均は43.2センチメートルで、一人分のシートの横幅を越してしまっていた。

他人を思いやれる心を

そもそも、京都を走っている叡山電車など、シートに窪みがない電車もある。

シートにくぼみがないと、自身で自由に好きな場所に座れるため、肩がぶつかったり窮屈に感じたりする問題がなくなるはずだが、新たな問題が生じている。それは「詰めない」問題だ。

くぼみがないと、隣の人に触れたくないという思いから、人との間を少し開けるため隙間ができてしまい、それが原因で座れる人が少なくなってしまうことがある。

詰めればあと一人座れるところを詰めない人がいると、高齢者や障害者の方も座りづらくなってしまう。だからこそ、一人分の座席に窪みを作る必要が出てくるのであろう。

公共の場で他人を思いやれる人がたくさん増えれれば、より住みやすい日本ができていくのではないかと感じた。

(文:真木翠乃)


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